1999年 丹後半島ツーリング
  ここまでやるか、CB50...タンクがへこむ編




1999年7月 丹後半島+岡山(毎年8月)

 1999年より、某先生に誘われて京都の北の端っこ”丹後半島”へ行くこととなる。元々ここへ行くために我がCB50Sはツーリング仕様になった。この時同行したのは、某モトラ乗り。(HONDA製50cc4スト 常用はしていないらしい 以降”モトライダー”と記す)

 初日
 朝10時頃、大阪市内某所で待ち合わせをし、近くのガススタでモトラのオイルを交換し景気良く出発。しかし池田まで激混みでイライラするが、その後はいたって快調にR173を北上。
 走行中の平均時速、約45km/h ところが能勢町の最北端の峠で、モトラの第2ギアが悲鳴を上げ、道の脇でストップ。どうやら50km/hを越えると第2ギアがおかしくなるらしい。それからは40km/h程度で進む。途中、何度も小休止を入れたのでCB50で走るにはとても楽だった。
 その後、大したトラブルも無しに綾部市に到着。ここでモトライダーの友人と合流。相手はSL230のオフロード車。
 ここで某先生から頼まれていた”自衛隊用非常食 通称 レーション”を探すべく、綾部駅周辺をくまなく探してみる。これは、普通の缶詰とちょっと違って、手に取るとずっしり重く、まさにレーション。カン自体も自衛隊カラーで分厚く、少々賞味期限が切れていようがへっちゃらで食べられるという優れ物である。
 しかし探すこと空しく2時間半経過。ちっとも情報すら手に入らないところにオフロードライダーから”駅前のお店にあったらしいが、すでに4年くらい前に置かなくなったそうだ”との連絡。モトライダーはちょっといじけていた。さんざん探し回ったあげくに発見できず、2時間半のタイムロスは大きい。まぁ、そのおかげで後でちょっと良いことがあったが。その後、この事件は”綾部のレーション事件”として未来永劫語り継がれるわけもない...
 とりあえずの目標を”天橋立”と決定し、快調に進む。天橋立は原付バイクで渡ることができるので、遠慮なく入っていく。南からの入り口周辺には観光客と土産屋が多く、本当に入れるのかと思ったが、やはり遠慮なく入ることにする。
オフロード車は原付ではないためR178を通って北側で待ってもらうことにした。天橋立は思ったより太く、ちゃんとした道があり(舗装はされていない)驚いた。両側に松林、ちょっとデコボコ道。まさか原付で渡れるとは知らなかった。
所々に小さな立て看板があり、歴史的な記述があったが、ちょっと今回はパスして先へ進む。途中、向かい側にバイクを発見。Vサインで挨拶すると驚いた顔で返してくれた。何しろCB50GT仕様とモトラ、両者原付に荷物満載である。その後、北側の出口でオフロードライダーと合流する。少し行ったところに干物屋があり、そこで今夜のおかずを買う。しかし、3人で大量に買ってしまったため後で後悔することとなる。あぁ、勿体なかった。夏場は日持ちが悪い。
 結局丹後の半島部分を北上する頃には日が暮れかけで、ちょうどR178から見た夕焼けと岩場のコントラストが極楽の様でとても美しく印象的だった。あの”綾部のレーション事件”がなければこの風景は見られなかっただろう。レーションに感謝か?
 日が暮れかけた頃に目的地へ無事到着。暗闇の中荷を降ろすためにゴムひもをゆるめた瞬間、CBがコケた!!
あぁ、なんてこった。よりによってこんなところでコケるとは...トホホ。被害はタンクの左側が軽くへこんだだけですんだが、精神的なへこみが激しく、力なさげに”あ〜っ”といってそのまま撃沈。穴が空かなかっただけでもラッキーだった。
力無く荷物をキャンプ地へ運び、先行していた某先生とめでたく合流。その後干物を肴にビールで一杯。
その日は確か深夜まで騒がしくやっていたような...気がする。キャンプ地は”平海水浴場”である。あぁショック...



写真について
 ミノルタα7700i 35mm 絞り・シャッター速度不明 コダック400
 フィルムスキャナ Epson GT8700F


2日目
 朝からものすごい日差し。5時に目が覚める。すでにテントの中は灼熱地獄。なんとオフロードライダーは砂の上で寝ていた...まだ寝ている... さすがオフローダー。気合いが違う。
 しかし、日差しが強い。このままではイカンと思っているところに、モトライダーから薄手の銀マットを借り、クリップでテントへ装着。これが効果覿面で、翌日から朝寝坊ができるようになった。夏のキャンプではいかに日陰を作るかが生死の分かれ目となる。日陰で楽をするか、それとも日照りで干からびるか。次回から絶対日陰対策用品を追加することにする。

 この日は、鳴き砂を探してあちこち探し回った。鳴き砂で有名な”琴弾浜”へ行ったが、残念ながらちっとも鳴いてくれない。そのまま砂浜の端の方へ行くと、突然足下で”キュッ!”と音がするじゃないか!! おぉ!これが鳴き砂か!! ちょっと待てよ、なんで鳴く砂がラインのようになっているのだ? しかも幅50cmくらいからはずれるとちっとも鳴かない。んっ? キャタピラの痕? ひょっとして鳴き砂を撒いているのか? 予測は当たった。どう考えても砂運び用としか思えないトラックを発見。かなりショック。どうやら夏の間は観光客が多く、ゴミやらタバコの灰で砂が汚染され、全然鳴かなくなるらしい。その代わり、冬になるとどこの海岸でもきれいな音でキュッキュッと鳴くそうなのだが、観光客を裏切らないためにちょっとだけ鳴く砂をわざわざ撒いているのだ。トホホ。
 琴弾浜周辺の海岸は、夏場は海水浴客で一杯になる。マナーの悪い客によって砂浜が汚染され、砂が鳴かなくなるのだ。皆様、自然を守りましょう。取って良いのは音と写真だけ。残して良いのは足跡とタイヤ痕だけ...
 そこで、汚染されていない、誰も入ってこられないような砂浜を探し、あちこち回った。一カ所だけほとんどプライベートビーチのような砂浜を発見。ここの砂は良く鳴いた。落ちていたペットボトルに砂を詰め、キャンプ地へ帰る。もう日が沈んでいた。
ちなみにオフローダーは、仕事があるといって早朝に、そそくさと帰っていった。バイバイ。

3日目
 朝からの日差しは例の銀マットでだいぶ穏やかになり、8時くらいまで寝られた。この日は特に何もせず、ボケーっとしていた。キャンプに来てセカセカ動き回って(やかましいバーベキュー・カラオケ大会を指す)疲れて帰るだけでは、あまりにも悲しい。ここでは日本海に浮かぶ雲でも見てボーっとして、拾ったサマーベッドにねころがって時間を過ごすに限る。 夕方、琴弾浜へ夕日の写真を撮りに行く。雲と夕日、ハイコントラストで極楽の美しさ。

4日目
 キャンプ場での食事は、近くのスーパーで食材か弁当を買ってきてすますことにしている。この近くのスーパーがクセモノで、夕方くらいから弁当が値引きされ続ける。続けるというのは、まず最初に”50円引き”が張られ、その後”100円引き”さらに”200円引き”続いて”100円”とか”80円”というシールが閉店近くまで生き残った弁当達には勲章のごとく重ねて上からバシバシ張られている。これをねらうにはライバル(近所のおばちゃんと思われる)が多く、見切りをつけて一歩手前のシールでゲットするのがツウである。おかげで食費だけは信じられないくらい低く押さえることができた。ありがたや。(そのぶんビール代になっているが)
 その日の内に売ってしまい、ゴミを出さない姿勢は誠にスーパーの鏡である。捨てると一文にもならない。キャンパーの強い味方。
 丹後町中浜にあるコープの近くのスーパー”ニ**キ” バレるって...ヤバイって...



写真について
 ミノルタα7700i 35mm 絞り・シャッター速度不明 コダック400
 フィルムスキャナ Epson GT8700F


5日目
 その日はキャンプ代と駐車代金を払って、午前10時頃に出発。丹後半島を西へ向かい、一路鳥取を目指す。道はガラガラ、単調なアップダウンとカーブ、海岸線は走っていてとても気持ちよい。途中あまり寄り道もせず、高速度ツーリングを楽しむ。予定では、日の高いうちに岡山(津山の実家)へ到着予定だった。鳥取へ近づくとともに怪しげな雲の塊と風。もしや台風??? 確か出発前にラジオで台風が接近しているとの情報があったため、早めに着くよう出発したのだが、遅かった。
 鳥取からR53で南下する予定だが、R53に入った直後、少し雨が降り出した。風はかなり強く、3速40km/hでの走行が限界だった。(鳴き砂6リットルがやたら重かった) ちょっとコンビニでコーヒーでも買って休もうとした直後、大粒の雨がドザーーー! ヤバイ、帰れない!! しかもここはコンビニ、屋根がない!! 急いで暴風・暴雨の中しばらく走り、鳥取名物20世紀ナシの直売店の屋根の下で雨宿り。屋根の下に入ってからもさらにパワーアップした台風は、雨を真横に降らせ、もはや視界は5メートル。降り込んでくる雨をよけるため、バイクをさらに奥に入れる。
 たばこに火をつけたが、強風の中ではあっという間に燃え尽きる。よくカブに乗りながら吸ってるおっちゃんがいるが、正味の半分以下しか吸えてないのではと、よけいなことを考察していた。
 かれこれ2時間、雨風が弱まったところで再出発。あたりはすっかり真っ暗。ここからの道は地図無しでも良く知っている。快調に峠を登り、山頂のドライブウェイで小休止。かなり強烈な(50ccには)登りだったためエンジンを休める。
 フライドポテトをかじりながらNHKの気象情報を見ると、”大雨暴風洪水警報”と連呼していた。当たり前じゃあ(岡山弁)と心でつぶやく。峠のトンネルを越えると岡山だ。全く雨が降っていない。ラッキー。快調に南下し無事実家に到着。はぁ、えらい目に合った。
 キャリアの荷物は、前もってビニールのゴミ袋で密封しておいたため浸水は免れた。レコーダー・マイクも無事だった。

6日目以降
 その後2日間津山で過ごし、帰路に就く。R179で姫路へ向かい、そこからR2で大阪へ。相変わらず大阪は激混み状態。何とか家に到着。今まで何度もバイクで津山まで帰っているため(いずれも50cc)地図無しで帰れる。渋滞するところは基本的に大嫌いだ。ディーゼルの排気で、燻されるのは趣味じゃない。
 CB50に乗りだしてまもない時期に、ロングルーリングを行うのは若干無謀だった。第一、壊れてもあまり直せる技術がなかったため、やはり無謀であったか。しかしバイクの調子も良く、途中で事故もなく帰ってこられて良かった。

総走行距離はおよそ600km
オイル交換・ワイヤーチェックを行う。
後日、タンクからガソリン漏れが発覚!さらにヘコむ。


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